R4.11.25 細河散策(久安寺・細河神社・養松院・慈恩寺)

                     師 池田郷土史学会会長 室田 卓雄 氏

【行程】 阪急池田駅阪急バス 出発959 → 久安寺 → 細河(細川)神社 → 天桂陽松庵 → 慈恩寺 →解散 14:20

□ 久安寺(きゅうあんじ)(正式名は「大澤山(だいたくざん)久安密寺」別称は「安養院」)

  所在地は池田市伏尾町  高野山真言宗の寺院  山号は大澤山  北摂では勝尾寺と並ぶ由緒ある古刹

   寺伝によれば、725(神亀2)年に聖武天皇の勅願を受け行基が開創し、天長年間(824834)の頃に空海(弘法大師)真言密教

  の道場として中興した安養院が前身と伝わる。

 1140年に「安養院」は焼失し、1145年に近衛天皇の勅願により祈願所として中興され、賢実上人が境内の本堂などの伽藍を増

築し、その頃から「久安寺」と称するようになる。

 最盛期には四十九もの子院があったが、現在は本坊となっている小坂院だけが残っている。

 豊臣秀吉が参拝の際に「月見茶会」を開いたといわれている。

 

<重要文化財>

 ・楼門(写①)……室町中期建立 1903(明治3)年に指定受

 ・木造阿弥陀如来坐像……久安寺の前身である安養院にあったもので平安時代後期の作 1913(大正2)年に指定受

 

〇寺院内施設等

 ・本堂(大悲殿)(写②)……ご本尊は千手観音菩薩

 ・(かや)の老木(写③)……受付詰所の端にあり豊臣秀吉お手植えと伝わる。

 ・腰掛石……豊臣秀吉が座ったと伝わる石

 ・鐘堂……梵鐘は「開運の鐘」と呼ばれる。

 ・具足池(写④)……紫陽花の時期に紫陽花を浮かべる。

 ・三十三所堂……長さ33メートルの須弥壇があり、西国三十三か所観音霊場の各々の札所の本尊を模した33体の観音像を祀って 

         いる。

   ・仏塔舎利殿涅槃堂(写⑤)……お釈迦様の舎利(遺骨)6.4メートルの釈迦涅槃像(写⑥)が祀られている。涅槃像の傍の柱に優秀

                  な十人の弟子(大弟子)の石像がある。       

    ① 楼門                                           ② 本堂

        ③榧の老木                                       ④具足池

                       ⑤仏塔舎利殿涅槃堂    釈迦涅槃像       

   細川(ほそかわ)(細河)神社

 所在地は池田市吉田町  摂津国豊島郡の式内社  主祭神は細川水大神  創建は天平年間(729748) 

 以前は久安寺の奥院として伝わる。

   (よう)(しょう)(あん)

 所在地は池田市吉田町  山号は少林山  本尊は釈迦牟尼仏  宗派は曹洞宗で檀家なし  座禅道場が有名

 1351(観応2)天龍寺などを開山した()(そう)()(せき)禅師が北条(豊中市)に庵を結ぶ。その後廃絶していたが、1721(享保6)

てん桂伝けいでんそん禅師により再興。

   慈恩寺(じおんじ)

 所在地は池田市吉田町  宗派は曹洞宗  

 草創は725(神亀2)年 聖武天皇の勅願を受け、京へ通ずる街道の要路「長尾山山頂」にお堂を創建したのが始まり。その後、

法大師より中興され「慈薗寺」として受け継がれ、1721年吉田町に創建された禅道場「陽松庵」に庇護されて「慈恩寺」に生まれ変わった。

   中国蘇州市名刹寒山寺の名鐘のレプリカを設置(池田市と蘇州市との友好都市締結25周年記念(2006)

    山門                本堂            寒山寺鍾奉納堂