R5.1.13  伝統の和菓子(講義と実習)

                                        講師 御菓子司 香月(こうげつ) 山脇 裕彦 氏

〇 上生菓子の実演

 

   香月三代目の山脇氏から、1月から12までをイメージした上生菓子の実演を見せていただきました。山脇氏が作成中の滑らかな手

  の動きに、我々観覧者は静かに見とれていました。色々な場所に出向きデモストレーションをしているとのこと。その月毎の名称は次

  のとおり。

      1月 常盤木(ときわぎ)   2月 此の花    3月 吉野    4月 落し文 

      5月 ばら園   6月 ほたる狩り   7月 水辺   8月 撫子   9月 桔梗 

      10月 菊の香(かおり)   11月 紅葉狩り   12月 山茶花

〇 山脇氏からのお話

   小さい頃から生菓子を作っている場にいたので、見よう見まねで作り方を覚えてしまったが、中に餡子をうまく詰め込むためにゴル

      フボールや生卵などを回す練習は良くしたとのこと。

   お茶会に出す上生菓子ついては、亭主と季節や雰囲気などを相談して決めていくが、明らかに分かるものは使わず、茶を飲みながら

      その生菓子の何かを想像することも嗜むことの一つとなる。しかし、店舗で売るときは明らかに分かる模様にしないと売れないことが

      多い。

   また、技と素材にこだわった伝統的な和菓子から「創作和菓子」を幅広く取り扱っている。銘菓としては、「もなかウォンバット」

      やチキンラーメンと甘納豆を使ったパイ饅頭の「チキチキパイ」などがある。 

                         

〇 山脇講師の手ほどきにより上生菓子を皆で作成した後に御賞味

各自が提供された材料により「菊」「松」「桜」の上生菓子を作りました。講師から手ほどきを受けて作りましたが、なかなか上手

くいかず、本来の形とは雲泥の差があるような出来栄えでした。

   その後、本格的な茶碗に点ててもらった抹茶と共に自作品の上生菓子をいただきました。大変美味しかったです。 


R5.1.27 たのしい電気学入門

電気と仲良くなろう! 謎解きの物差し! 自由電子とイオン」

 

                                                                                  講師 大阪府高齢者大学校 (おと)() 輝元 氏 外1名

 音田講師は大阪府高齢者大学校で講師をしながら、子どもを対象とした「楽しい科学の世界を広める活動」されています。<科学フェスタ

バル>や<法円坂子どもプラザ>の企画運営をしている。

自由電子

  〇 電気を通すもの、通さないもの(電気テスターの途中に次のものを挟んだ場合)

① 次の硬貨を挟んだ場合に豆電球はつくのか?

    1円玉(アルミニウム) 5円玉(銅と亜鉛の合金) 10円玉(青銅) 50円玉(ニッケル合金) 100円玉・500円玉(ニッケル合金) 

                                                                                                                      答え:全て点く

② 1,000円札の野口英世の印刷が濃い頭と胸のあたりでは豆電球は点くのか(材料:日本和紙に磁性インクで印刷)?

                                                                                                         答え:紙に印刷しているため点かない

   ③ アルミホイルを大きく広げて両端にテスターを付けた場合豆電球は点くのか?

                                                                      答え:1円硬貨と同じで点く

   ④ 鉛筆の芯(石墨(グラファイト))やフェライト磁石(酸化鉄、黒色)

                                                                                   答え:鉛筆の芯は点くがフェライト磁石は点かない

 

   科学の言葉:金属

     金属とは、(石墨以外の)電気をよく通すもののことをいう。

   金属と自由電子

   金属の中には<自由電子>というものが沢山あって、それが電気を伝える役目をしている。普通の原子の中に含まれている電子

は、原子の中にしっかり束縛されていて自由に動き回ることができない(束縛電子)。ところが、金属の原子の中の一部の電子だけ

は、金属の中を自由に動き回ることができる(自由電子)

                                    自由電子=自由に動く・ピカピカ光る

  〇 金属光沢(ピカピカ光る)のあるものは本当に電気を通すのか?

   ① アラザン(ケーキの上の飾り、銀箔を使用) ② 折り紙・銀色  ③折り紙・金色  ④ アルミのやかん(アルマイト加工済) 

       ⑤ ビール缶・銀色(アルマイト加工済)

                              答え:①と②は点く ③は銀紙の上に金の塗料を塗っているため削ると点く ④と⑤は表面を削ると点く

         ■   電流」とは「自由電子」の流れ!

 イオン

  〇 普通の水道水……自由電子がないので電気テスターの豆電球は点かない

  〇 「エナジースティック」という電気で遊ぶおもちゃを「イオンテスター」として実

   ① エナジースティックの両端の金属部分を両手で掴むと光るのか?                           答え:中の線が光る

   ② 何人もの人間が手を繋いで両端にいる人間がエナジースティックを掴むと光るのか?  答え:4人が手を繋いで両端の人がエナ

                                                                                                                                   ジースティックをそれぞれ掴むと光った

   ③ キュウリなどの野菜をエナジースティックの両端からの配線を繋ぐと光るのか?      答え:中の線が光る                                       

 

   ■   イオン」とは、「原子」が電気を持ったもの

   人間の体や野菜・果物の中には色々なイオンが含まれており、それが電気を運ぶ仕事をしたもの

                  ()バナナ……カリウム・マグネシウム・カルシウム・鉄の金属がイオンの状態で含まれている。

          イオンは水溶液の中ではバラバラになり、そこで電源が繋がると  

                                 プラスイオン ⇨ マイナス極へ  マイナスイオン ⇨ プラス極へ 動く 

            金属の中で自由電子が動いたと同じように電気が流れることになる。

    ■   イオン自由電子とは<同じ電気の流れ>と言っても、純粋な水と銅の比較では、純粋な水の方が銅の10兆倍も電気を通しにくい

            つまり、<自由電子>と<イオン>では電気の通しやすさはまるで違う‼


R5.1.27 池田市の国際交流、在住外国人とダイバーシティセンターの取り組み

                     講師 池田市人権・文化国際課 ダイバーシティセンター (きむ) 輝美(ふぃみ) 氏 外2名

〇 池田市の国際交流

  ① 姉妹都市……オーストラリア・ローンセストン市(タスマニア島1965年提携)

          1990年5月に「ウォンバット」3頭の寄贈受  現在、日本国内6頭いる内4頭が五月山動物園にいる。

  ② 友好都市……中国・蘇州市(1981年提携) 斉芳亭や獅子像の贈呈受(水月公園に設置)

          慈恩寺(吉田町)に寒山寺の名鐘のレプリカ(11.25のまち歩き)

③ 池田市の在留外国人

 1位 韓国・朝鮮502(402世帯) 2位 中国 3位 インドネシア 4位 ベトナム 5位 マレーシア 等 

  ④ 池田市に住む外国人の在留資格                

      1位 家族滞在(377) 2位 留学 3位 特別永住者 4位 永住者 5位 技術・人文知識・国際業務 等

  ⑤ 多文化共生とは……国籍や民族等の異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら地域社会の構成

             員として共に生きていくこと

⑥ 多文化共生のまちづくりに必要なこと

・池田市で暮らす外国人が困っていること……子どもの学校 出産・育児 病院 住居 就労

   ・ダイバーシティセンター(2022年4月1日開館)の取り組み 

日本語を学ぶ場所をつくる 通訳や翻訳、疑問や相談に答える 地域市民との交流の機会をつくる 地域市民が外国人市民との共生について、考える機会をつくる

    ・外国人市民の3つの壁……「心の壁」「言葉の壁」「制度の壁」 

   ※「ダイバーシティ」とは、日本語で「多様性」のこと。「多様性」とは、性別や年齢、人種、国籍、障がい、性的指向、宗教、価値

    観等を指す。 

 

〇 ワークショップ「外国人と共に暮らすとは」

   「ひょうたん島」において、「ひょうたん人」と外国人である「カチコチ人」が居住しているが、「ひょうたんカーニバル開催」に際して、「カチコチ人」が参加しないこと等から対立しているため、5人の代表者が集まって協議をする架空の会議を行うもの。

  <5人の代表者

   Aひょうたん文化保存会会長  B:ひょうたんカーニバル実行委員(兼進行役)  Cカチコチ文化協会代表  Dひょうたん大学教授 

   Eカチコチ人労働者協会代表

 

  このAEの5人を一つの班単位として、受講者が5班に分かれてその人になりきって討議を行った(AEの考え方はそれぞれ1枚の紙

  に記載されたものが配布されている)

  

  このワークショップの意義は、AEの各人が互いに立場上での正論を述べていくので、妥協点は出てこないので結論は出ない。お互い

  にAEの人を理解することが第一歩。

  

   このワークショップの各班における討議結果は、前向きな結論を出した班が1班あったが、他の4班では決裂した状態で終わった。このワークショップは45分間討議したが、前半の時間は各人がAEの役どころを理解するのに手間取りました。また、「カチコチ

 人」という表現は、頭が固くて頑固者という風にイメージしてしまうので、名前を変更すべきだと思います(個人的意見)

 

〇 ワークショップ「やさしい日本語を考える」

  ① やさしい日本語とは

    「易しい」+「優しい」……普段使われている言葉を、外国人にとってもわかるように配慮した簡単な日本語

       (具体例)「直ちに避難してください」 ⇨ 「すぐに逃げてください」

  ② なぜ英語ではなくやさしい日本語?

    池田市在住の外国人は65カ国約2,000(2022年4月現在、池田市人口の2%) 

    ・全ての国の言葉に翻訳するのには限界がある

     ・外国人市民が必ずしも英語を理解できるという訳ではない

    ・災害時には翻訳できる人材も被災し、翻訳作業が困難

   災害時の情報伝達手段から生活情報の伝達手段へ ⇨ 「暮らしの情報」のパンフレットをダイバーシティセンターで作成配布

   (日本語・英語・インドネシア語・中国語・韓国語)

  やさしい日本語の作り方  

   情報の取捨選択  1文を短く、分かち書きに  敬語、カタカナ語、擬態語、擬音語は極力使わない  漢字カナに振り仮名を振

   る  普段使わない言葉は、普段使う言葉に言い換える  二重否定など曖昧な言い方をしない  絵や写真などを使っても良い

  ④ やさしい日本語を作ってみましょう(正解はない) 

    「土足厳禁」  靴を 脱いで ください

    「炊き出しで食中毒にならないように、次のことを守ってください。  炊き出し(災害が 起きた 時に もらえる 食事)を 食べ 

                                          て 病気にならないように 次の ことを 守って ください。

   ⑤ まとめ

   ・災害時だけでなく、日常生活でもやさしい日本語は有効。街中で外国人と話す際、相手のレベルに合わせて話すことができる。

    ・やさしい日本語に正解はない。まずはできる範囲でやさしくなるよう言い換えてみる。